【2026年版】Shopify(ショッピファイ)とは?会社の歴史・日本進出の背景から2026年AI対応などを解説

長野県佐久市のShopifyパートナー株式会社ローカルコマースの代表取締役、呉です。
累計70社以上における構築・支援の経験からShopifyを中心としたEC運営の実務で役立つ情報発信を心がけています。

2026年6月1日に合同会社FRONTIER TRADEから株式会社ローカルコマースへの組織変更とサイトリニューアルに合わせて、改めてShopifyの基本を2026年版としてまとめてみました。
当社が7年以上、実際にShopifyを扱ってきた経験なども踏まえています。

Shopifyとは?

カナダ発のスタートアップ

Shopify(ショッピファイ)はカナダの首都オタワに所在する、ECカートシステムを世界展開している企業です。
2006年、スノーボードを作っていたTobi Lütke氏は、自分のスノーボードをオンライン販売するためにECカートを探していました。
しかし、なかなか納得のいくECカートが見つからなかったため、「だったら自分で作ってしまおう」と一念発起してShopifyを立ち上げたそうです。
立ち上げ当初の3〜4年はTobi氏を含めた2〜3名でShopifyの構築を進めていったとのことです。

Shopify 現在の規模(2026年版)

アメリカをメインターゲットにスタートし、英語圏であるカナダ、イギリス、オーストラリアと展開したShopify。
設立から20年が経過し、グローバルコマースをリードする巨大プラットフォームへと成長しました。
最新の数字を見ると、2025年通期の売上高は約116億ドル、世界175ヵ国以上で展開しています。
Shopify上では26秒に1回、初めての販売を行う起業家が誕生しているというデータも公表されており、スピード感ある成長は今も止まりません。
2025年第3四半期にはGMV(流通総額)が前年同期比32%増を記録するなど、規模が大きくなってもなお高成長を維持しています。

完全リモート企業として世界中に社員を擁し、アプリストアには8,000以上のアプリが掲載されています。
米国ではAmazonに次ぐ第2位のECプラットフォームへと成長し、Estée LauderやAllbirds、SHEIN、Gymsharkといったグローバルブランドから個人事業主まで、あらゆる規模のビジネスを支えています。/p>

今や世界に広がるShopifyですが、英語圏以外で優先しているグローバルマーケットとして、フランス、ドイツ、そして日本が挙げられてきました。

Shopify Japan立ち上げから9年

日本上陸となるShopify Japanの立ち上げは2017年とのことです。
海外発のスタートアップであったことから、日本では当初「越境EC向けカートシステム」という立ち位置でした。
海外標準の仕様であるため、日本から輸出する際の販売に向いていたからと推測されます。
管理画面は日本語対応が追いついておらず英語がほとんどだったため、グローバル展開の意識が強い事業者ではないとハードルが高いECカートシステムと言われていました。

しかし、ここ数年で日本展開を急速に拡大し、メディアでも頻繁に取り上げられるようになりました。
2024年5月からは請求の日本円対応も開始され、為替リスクを気にせず利用できるようになったのも大きな変化です。
日本国内でShopifyを導入している店舗は、2025年4月時点で38,000店舗を超えています。2020年末時点では約1万店舗でしたので、わずか数年で約4倍に拡大したことになります。

日本での販売トップ業界は、引き続きアパレル・ファッションで、続いて食品・飲料、美容・健康などが続いているそうです。

国内でも、DAISO、生活の木、Allbirds、PAUL & JOE、日清食品、亀田製菓、三陽商会、お仏壇のはせがわなど、業界を代表するブランドの導入が進んでいます。

BASEやSTORESといった国内ECサービスとは異なる「本格運用に耐える拡張性」が選ばれる理由になっています。

2026年 ShopifyはAIに全振り

2026年現在のShopifyを語るうえで、AIの話を抜きにすることはできません。

2025年末に発表された大型アップデート「Shopify Editions Winter '26」では150以上の新機能が一斉に投入され、その中核に据えられたのがAI関連の機能群でした。 ここでは特に押さえておきたい3つのキーワードを紹介します。

Sidekick:管理画面に常駐するAIアシスタント

Sidekick(サイドキック)は、Shopify管理画面に組み込まれたAIアシスタントです。
自然言語で「先月の売上トップ10商品を教えて」「カート落ち率を改善する施策を提案して」「このバナー画像の背景を消して」と話しかけるだけで、データ分析、ストア設定、画像編集、ワークフロー作成までこなしてくれます。

2025年7月の大型アップデートで対応言語が20言語に拡大され、日本語でもストレスなく使えるようになりました。

SidekickはAnthropic社のClaude Sonnet 4.5(Google Cloud Vertex AI経由)で動いていることも公表されており、Shopifyが「どのAIモデルを採用するか」というレベルで本気でアーキテクチャを組んでいることが分かります。

すべてのShopifyプランで追加料金なしで利用できる、最も身近で強力なAI機能です。

SimGym:AIショッパーがストアを事前にテストしてくれる

SimGym(シムジム)は、Winter '26で発表された中でも最もエッジの効いた新機能の一つです。
リニューアル前のテーマや新しいレイアウト案を本番公開する前に、AIショッパー(仮想の買い物客)にストアを実際に巡回させ、その結果を見て改善できるという、いわば「ストアフロントのフライトシミュレーター」です。
1日あたり40万セッションを処理できるインフラが裏側で動いています。 実際のユーザーアクセスを使うA/Bテストでは、統計的に有意な差が出るまで数週間かかるうえ、その間「悪い方の案」を見せ続けるリスクもありました。
SimGymを使えば、トラフィックゼロのストアでも数分〜十数分でテーマ変更の影響を予測でき、ナビゲーションの分かりにくさ、CTAの押しにくさ、検索フィルタの不便さなどの具体的な改善ポイントをレポートとして受け取れます。

2026年3月にAIリサーチプレビューが全マーチャントに開放されました。

エージェンティックコマース:ChatGPTやGoogleで売る時代

そしてもう一つ、いま最も大きな潮流が「エージェンティックコマース(Agentic Commerce)」です。

ChatGPT、Microsoft Copilot、Google AI Mode、Gemini、Perplexity

こうしたAIアシスタントとの会話の中で、ユーザーが「予算1万円以下でおすすめのアウトドアシューズを教えて」と尋ねると、AIが商品を提案し、そのまま会話の中で購入まで完結する。
そんな世界が2025年後半から実際に動き始めています。
McKinseyはこの市場が2030年までに3〜5兆ドル規模になると予測しており、Shopify自身のデータでもShopifyストアへのAI経由トラフィックは2025年に前年比8倍、AI経由の注文は15倍に増えたと公表されています。

Shopifyはこの動きに対応するため、Winter '26で「Agentic Storefronts」という新しい販売チャネルを発表しました。
Shopify管理画面で対応AIプラットフォーム(ChatGPT、Microsoft Copilot、Google AI Mode、Gemini、Perplexityなど)をトグルでオンにするだけで、Shopify Catalogを通じて商品情報がAI各社に配信され、AIチャット内で発見・購入されるようになります。
各注文は管理画面のレポートで「どのAIチャネル経由か」の属性付きで集計されます。

ちょうど先月、2026年5月に管理画面へ追加されています。

裏側では2つのオープンプロトコルが動いています。
GoogleとShopifyが共同開発したUCP(Universal Commerce Protocol)と、OpenAIとStripeが推進するACP(Agentic Commerce Protocol)です。
Shopifyマーチャントは、この複雑なプロトコル仕様を意識する必要はなく、管理画面のスイッチひとつで両方のエコシステムにつながる設計になっています。

日本でも、商品データの整備(説明文の充実、属性情報、画像、GTIN)と`robots.txt`の見直し(AI検索クローラを許可する)を進めておけば、近い将来「AIチャットで偶然見つけてもらえる」流入経路を確保できます。

AI時代に向けた基盤整備が一気に進んでいる

Sidekick、SimGym、Agentic Storefronts

これらに加えて、開発者向けの「Shopify AI Toolkit」(Storefront MCP / Dev MCP)の公開、商品データを自動構造化する「Shopify Catalog」の整備、AI画像編集機能の標準搭載と、2026年のShopifyは「AIが操作することを前提にしたコマースプラットフォーム」へと急速にリアーキテクトされている最中です。

別の言い方をすれば、これまで「ECサイトを作って、人間に見つけてもらって、人間に買ってもらう」だったコマースが、「ECサイトを作って、AIに見つけてもらって、AIに買ってもらう(あるいはAIが人間に推薦する)」へと拡張されようとしている、ということです。

このフェーズで「とりあえずECサイトを作っておけば良い」という考え方は、もう少し前提を疑った方が良くなってきました。

商品データの精度、説明文の充実度、ブランドの一貫した情報発信など、これらは人間向けのSEOだけでなく、AIエージェントに見つけてもらうための「LLMO(LLM最適化)」としても重要になります。

Shopifyの強みは、こうした最先端の動きが標準機能として、追加コストなしに次々と提供される点です。
月額3,650円のBasicプランで運営している小規模ストアも、年商数百億円のグローバルブランドも、同じプラットフォーム上で同じAI機能の恩恵を受けられる。「テクノロジーを正しく理解して味方につける」ことが、これからのEC運営の差を決めていきます。