長野県佐久市のShopifyパートナー、株式会社ローカルコマース代表取締役の呉です。
日本時間2026年6月18日未明にShopifyから膨大な量のアップデートやリリース情報が発表されました。
数多くの新機能リリースや従来機能のアップデート情報が盛りだくさんですが、その中でも日本国内のマーチャント(EC運営事業者)様が注目すべきトピックスを厳選してまとめていきたいと思います。
なお、すべての情報を確認したい方はこちらをご覧ください。
Shopify Editions Spring '26とは?
「Shopify Editions」とはShopifyのリリースイベント、『大型アップデート集』のようなものです。
ここ数年、Shopify Editionsは春(これまでは初夏)と冬の年2回、発表されています。
Shopifyをご利用のマーチャント様であれば、「Shopify Editionsが出たら要チェック」と覚えておいていただければと思います。
今回のShopify Editions 2026春は150以上のアップデートが一気に発表されました。
とはいえ、すぐに活用できるものから、少し前に導入されているもの、あるいはまだ実装されておらず待つ必要がある内容など、様々です。
そこでここでは、当社なりの視点で「これは知っておいてほしい」と考える内容に絞って解説していきます。
Shopify Editions Spring '26 注目トピックス
住所入力ミスを弾くチェックアウトルール機能がプラン拡大
ECの現場では、お客様が入力された住所のミスが一定の頻度で見つかることがあるでしょう。
今回のアップデートにより、チェックアウト画面(決済フォーム)で正しくない住所のフォーマットが入力された場合に、購入を完了させないルールを設定できるようになりました。
設定方法は
管理画面 → 設定 → チェックアウト → チェックアウトルール → 住所フォーマット検証
これまでPlusプランに限定されていた機能が、主要プランでも実装されました。
ただし、記事公開時点では管理画面に「住所フォーマット検証」が表示されていないようで、順次実装されていく可能性があります。

また、Plusプランのみ利用できた旧機能「Address Blocker」は2026年8月31日に廃止予定とのことです。 現在お使いのマーチャント様は自動移行される予定とのことですが、念のため事前にご確認されることをおすすめします。
メッセージを「賢く」届ける Shopify Messagingにスマート配信が追加
Shopify Messaging(旧Shopifyメール)に「スマート配信(Smart Delivery)」機能が追加されました。

送信するメッセージと保留するメッセージに優先順位を自動でつけてくれる機能で、コンバージョン率の最適化や購読解除の抑制、コスト削減にも役立ちます。
デフォルトではオンになっています。
具体的には、こんな動きをします。
- メッセージの過剰配信を防いで開封率を維持する
- 最近開封していないお客様への次回配信を保留する
メールやSMSの「出しすぎ」「タイミングが悪い」といった課題に対して、AIが自動でコントロールしてくれる、まさに即戦力のアップデートです。
商品に法的警告・注意表示を追加する専用フィールドが登場
食品、化粧品、おもちゃ、小さい部品が入っている商品などを販売されている事業者様は、特にご注目いただきたい機能です。
これまでは商品説明欄に警告文を書いたり、テーマコードを編集して対応していた「注意表示」が、Shopify管理画面から専用フィールド(情報開示・Disclosures)として設定できるようになりました。
例えば、小さなお子様が誤飲する可能性がある商品に「3歳未満のお子様の手の届かない場所に保管してください」といった表記を設定するケースは、よくあると思います。
設定方法は以下のとおりです。
商品メタフィールドの「情報開示(Disclosures)」から該当項目を設定、またはカスタマイズ → 内容を登録
最新版のHorizonテーマでは「テーマブロック」で設置できるとのこと。
また設定した内容はオンラインストアだけでなく、AIチャネルやShopアプリにも自動で表示されます。
ただし、記事公開時点では管理画面のメタフィールドに「情報開示」が表示されていないようで、順次実装されていく可能性があります。
Sidekickがアプリと連携!管理画面のAIがさらに進化
Shopify管理画面で利用できる専用AI『Sidekick』が、外部のShopifyアプリとも連携できるようになりました(Sidekick App Extensions)。
これまではShopifyの各種管理画面、テーマ、設定、分析、Flowなどで活用できましたが、今回の拡張でアプリをまたいで質問・操作が可能になりました。
現時点で対応しているアプリは15社以上で、主なものはKlaviyo、Loop、Judge.me、Yotpo、Matrixifyなど、Shopifyアプリストアでも高いレビューと導入件数を誇る、まさに「Shopifyアプリの王道」たちです。
例えばJudge.meについては、Shopify管理画面内で現在の設定状況や、オン・オフで制御できる簡単な設定ならを直接Sidekickから質問・実行できるようになっています。

Judge.meのように管理画面が日本語対応されていないアプリの場合、単純に日本語で設定が確認・変更までできるのはありがたいですね。
ツールをまたいで情報収集する手間が減り、管理業務の効率化につながると考えています。
今後も連携するShopifyアプリは増加していくことでしょう。
お客様アカウント(マイページ)のデザインが刷新
「お客様アカウント(新バージョン)」を利用しているストアで、アカウントページのデザインがアップデートされました。
主な変更点は以下のとおりです。
- 直感的なナビゲーション(シングルカラムレイアウト)
- ログイン画面にブランドロゴが表示されるように
- 初めてのお客様向けにおすすめ商品が表示されるように
ログイン後のマイページは「購入後も継続的に訪れる場所」です。
一度購入したお客様がリピーターになるかどうかにも影響するため、アカウントページの体験を整えることはLTV(顧客生涯価値)の向上につながると考えています。
ただし、記事公開時点では確認できておらず、順次実装されていく可能性があります。
Campaign Autopilot マーケティングをAIにお任せ
ストアの商品情報・顧客データ・販売データをもとに、Shopify MessagingやMeta広告などのマーケティング施策をAIが自動で提案・実行してくれる機能です。

具体的には、管理画面の「Growth(成長)」ページからAIが推奨するマーケティング施策を確認し、承認したものだけを実行するという流れです。
自動化といっても全部任せっきりではなく、人間が承認したもののみ実行されるという設計になっています。
例えば以下のような施策が自動で提案されます。
- カゴ落ち客へのメール配信
- 新規登録者へのウェルカムシリーズ
- Meta広告のAdvantage+キャンペーン
現時点では早期アクセス待ちで、順次利用開始となる見込みです。
全プラン(Agenticプランを除く)で利用可能になる予定で、Shopify Paymentsの有効化が必要条件です。
精度やパフォーマンスは未知数ですが、利用可能になったら広告キャンペーンで活用してみたいと考えています。
管理画面「マーケティング」が「Growth(成長)」に改名
Shopify管理画面の左側メニューで、「マーケティング」が「Growth(成長)」という名称に変わりました。
機能自体に変化はありません。
マーケティングの自動化設定や、アトリビューション分析が引き続き利用できます。
翻訳で「成長」になるのは少し違和感もありますが、広告・SEO・メール配信・分析など、売上を伸ばすための機能が一か所にまとまっている場所という意味では、名称の意図は伝わってきます。
当社でもアトリビューション分析をよく活用しており、どのチャネルが売上・新規獲得・集客に貢献しているかを可視化するのに役立っています。
マニュアルや社内資料でスクリーンショットを使っている方は、表示名が変わっている点にご注意ください。
Agenticプラン ShopifyのストアがなくてもAIで販売可能
今回のEditionsで最も「時代の変化」を感じさせるリリースが、この「Agenticプラン」です。

これはShopifyのオンラインストアを持っていないブランドや事業者でも、商品データをShopify Catalogに登録することで、ChatGPT・Google AI Mode/Gemini・Microsoft Copilotなどの主要AIチャネルで商品を販売できる仕組みです。
つまり、ストアすら不要でAIチャット経由で決済まで完結できるという、これまでのECの常識を覆すプランといえます。
Agenticプラン自体は無料のサブスクリプションで、お客様が購入を完了した場合のみ、決済手数料が発生する仕組みです。
現在すでに別のECプラットフォームを使用しており、Shopifyへの移行が難しいケースや、まずはAIチャネルでの販売を試してみたいという事業者様向けの選択肢として位置づけられています。
「AIのチャット画面の中でモノが売れる時代=エージェンティック・コマース」が、確実に近づいていると感じさせるリリースです。
当社でも引き続き動向を追っていきたいと考えています。
まとめ
今回のShopify Editions Spring '26は、AIとの統合という大きなテーマに加えて、マーチャントの日々の業務をサポートする実用的なアップデートも多数含まれていました。
特に住所バリデーション、Smart Delivery、商品への開示フィールドなどは設定するだけですぐに活用できる機能です。
一方、Campaign Autopilotはまだ早期アクセス待ちのものもあり、正式リリースを待ちながら準備を進めておくのが良いと考えています。 今後も最新情報をお届けしていきますので、ぜひご参考にしてください。