長野県佐久市のShopifyパートナー、株式会社ローカルコマース代表取締役の呉です。
今回はShopifyから送信するメールの到達率を上げる「3つのレコード設定」の具体的な設定方法を、当社が実際に設定したGoogle Workspaceでご紹介します。
当社では2026年6月1日に合同会社FRONTIER TRADEから株式会社ローカルコマースへ社名を変更し、それに合わせて独自ドメインも切り替えました。その際に実際に行なったGoogle Workspaceの設定内容、そしてつまづいたポイントを共有します。これから独自ドメインを設定する方の参考になれば幸いです。
なぜGoogle Workspaceで独自ドメインを使うのか
独自ドメインのメールアドレス(例:info@local-commerce.co.jp)を使う方法はいくつかあります。
一般的なのは、各パソコンにあるメールソフトに独自ドメインのアドレスを接続する方法です。この方法であれば追加の料金はかかりませんが、端末が変わるたびに設定が必要になり、少し手間がかかります。またメールの内容も端末ごとにローカルで扱うため、同期がしづらい認識です。
一方でGoogle Workspaceを使うと、どの端末からでもGmailを開けば同じメールを送受信でき、同期もされています(一元管理可能)。
パソコンが変わってもスマートフォンからでも、いつもの環境にすぐアクセスできるので、複数の端末を使う場合や事業として運用する場合にはとても便利だと考えています。当社はもともとGoogle Workspaceを契約しており、旧社名のころから独自ドメインを設定して運用していました。
今回の前提
社名変更にともなうドメイン切り替え
今回は社名変更だったため、いきなり本番のドメインに切り替えるのではなく、事前に新社名の独自ドメインをセカンダリドメインとして追加しておきました。あらかじめ送受信ができる状態を準備しておき、正式な社名変更日を迎えたタイミングでプライマリドメインに切り替える、という流れです。

事前に調べたところ、ドメイン追加自体は追加料金なしでできるとのことで安心しました。
※Google Workspaceはユーザー数に応じて料金が加算されます
新規でゼロから設定する場合も、基本的な手順は同じだと考えています。
Google Workspaceにドメイン追加
Google WorkspaceのAdmin(ホーム)の下に「ドメイン」の枠があります。
当社の場合、今回まずセカンダリドメインで設定したので「ドメインの追加」を事前にしていました。その後、下にある「プライマリドメインを変更」をしています。

※画像ではプライマリドメインがローカルコマースになっていますが、設定後のためです
設定の中心はDNSのレコード設定
Google Workspaceで独自ドメインのメールを使うための作業は、その大半がDNS(ドメインの設定画面)でのレコード設定です。具体的には以下のレコードを設定していきます。
メールの受信先を指定する【必須】
MXレコード

MXレコードは、そのドメイン宛てに届いたメールをどのサーバーに配送するかを指定する設定です。これが正しく設定されていないと、メールが届きません。
Google Workspaceの場合、設定する値は以下のとおりです。
当社が設定したMXレコード
| ホスト名 | 空(入力しなくてOK) |
| TYPE | MX |
| TTL | 3600(デフォルト) |
| VALUE(値) | smtp.google.com |
| 優先 | 1 |
Google WorkspaceのMXレコードの値はsmtp.google.comのひとつだけです。以前は複数のサーバーを優先度ごとに登録する形式でしたが、現在は1行で済むようになっています。
設定時の注意点として、古いMXレコードや別のメールサービスのMXレコードが残っていると正しく動作しないことがあるため、不要なMXレコードはすべて削除してから登録します。
※別のメールサービスを使っているドメインの場合、一時的に送受信できなくなる時間があります。余裕をもって設定しましょう
所有権確認・認証まわりのレコード
メールを安定して送受信し、なりすましや迷惑メール扱いを防ぐために、以下の認証系レコードも設定します。当社では以下を設定しています。
SPF(TXTレコード)
送信を許可するサーバーを指定する設定です。
| ホスト名 | 空(入力しなくてOK) |
| TYPE | TXT |
| TTL | 3600(デフォルト) |
| VALUE(値) | v=spf1 include:_spf.google.com ~all |
DKIM(TXTレコード)
メールに電子署名を付けて改ざんやなりすましを防ぐ設定です。
設定する値はGoogleのAdmin→アプリ→Google Workspace→Gmailを開くと真ん中あたりに「メールの認証」があります。開くと設定内容が指定されているので、それをそのままDNS設定に貼り付けます。

| ホスト名 | google._domainkeyから始まる値(指定あり) |
| TYPE | TXT |
| TTL | 3600(デフォルト) |
| VALUE(値) | v=DKIM1から始まる値(指定あり) |
DMARC(TXTレコード)
SPFとDKIMの結果をもとに、認証に失敗したメールの扱いを指定する設定です。
記述方法はセキュリティ強度の扱いによっても異なるため、いくつかパターンがあります。
| ホスト名 | 空(入力しなくてOK) |
| TYPE | TXT |
| TTL | 3600(デフォルト) |
| VALUE(値) | v=DMARC1; p=quarantine; |
このSPF・DKIM・DMARCの3つは別の記事でも書きましたが、いずれもメールの信頼性に関わる重要な設定だと考えています。
すべて設定すると、以下のようになります。

つまづきポイント
プライマリドメイン変更後にメールが受信できなくなった
社名変更日を迎え、Google Workspaceの管理画面でプライマリドメインを新しい独自ドメイン(local-commerce.co.jp)に変更しました。管理画面上は「プライマリドメインを変更しました」と表示され、無事に切り替わったように見えました。

ところが、その後に新しい独自ドメインでメールの受信ができなくなってしまったのです。
原因を確認したところ、新しいドメイン側でMXレコードの設定を失念していたことが分かりました。
セカンダリドメインとして追加した段階では送受信できる状態でしたが、プライマリドメインに昇格させたあとに改めて必要となるMXレコードがきちんと設定できていなかった、というのが実態でした。
プライマリドメインの変更は、Google Workspaceの管理画面だけで完結する作業ではありません。
DNSのMXレコード設定がセットになって初めて、メールが正しく届くようになるという点が、今回の大きな学びでした。
管理画面で「変更しました」と表示されても、それはあくまでGoogle側の設定が変わっただけで、メールの配送経路を決めるのはDNSのMXレコードだからです。
これから設定する方へのチェックポイント
同じようにつまづかないために、設定の際は以下を確認することをおすすめします。
- 新しいドメインにMXレコード(smtp.google.com)が正しく設定されているか
- 古いMXレコード・不要なMXレコードが残っていないか(残っているとメールが正しく届かない場合があります)
- SPF・DKIM・DMARCの3つの認証レコードが設定されているか
- プライマリドメインを変更したら、変更後のドメインで実際にテストメールを送受信して確認
- DNSの変更は反映までに時間がかかる場合がある(プライマリドメインが有効になるまで最長48時間ほどかかることがあります)
特に最後の「反映に時間がかかる」点は重要だと考えています。
設定直後にうまくいかなくても、すぐに設定ミスと判断せず、少し時間を置いてから再確認するくらいの余裕を持っておくと安心です。
SPF・DKIM・DMARCの3つの認証レコードはShopifyから送信するメールの到達率にも関係するため、重要な設定です。
詳しくは下記記事もご覧ください。
Shopifyから送信するメールの到達率を上げる方法 ドメイン認証・CNAME/SPF/DKIM/DMARCレコード設定