長野県佐久市のShopifyパートナー、株式会社ローカルコマース代表取締役の呉です。
今回は、2021年より前にShopifyでECサイトを構築された事業者の方に向けて、少し気になっているお話をします。
もし5〜6年前のShopify公式テーマのままだと…
今から5〜6年前(2021年頃)にShopifyで公式テーマ=無料のテーマを使ってECサイトを新規構築して、それ以降テーマを変えていない。
もし思い当たる節があれば、この記事は最後まで読んでいただきたい内容です。
正確に言うと、Shopifyがテーマに関する大型アップデート「Online Store 2.0」(以下、OS2.0と記載)を発表したのが2021年6月。それより前にShopify公式テーマで構築して、そこからテーマを変えていないストアは、現在「Vintage(ビンテージ)テーマ」と呼ばれる古い世代のテーマを使い続けている状態にあります。
そのままでは、Shopifyが提供する数々の機能改善・新機能の恩恵を受けられず、知らないうちにお客様体験が古いまま取り残されている可能性が高いです。
決して脅すような意図はありません。事実として、Shopify公式の情報をもとにお伝えしていきます。
※今回の内容は「Shopify公式テーマ」限定です。有償テーマについては言及しませんので予めご了承ください。
Shopify公式テーマには「世代」がある
まず、Shopify公式テーマには大きく2つの世代があります。
Vintageテーマ
Shopifyが「Vintageテーマ」と呼んでいる、古い世代のテーマです。
レガシーテーマなどとも言われますが、具体的にはDebut、Brooklyn、Narrative、Supply、Minimal、Simple、Boundless、Venture、Express、Jumpstartなどが該当します。

これらのテーマは、現在Shopifyテーマストアでは新規に提供されていません。
すでに使っているストアは引き続き使えますが、Shopifyからはセキュリティ修正以外のアップデートは提供されないと公式に明示されています。つまり、機能的にはあの当時から止まったままです。
Online Store 2.0テーマ(新しい世代)
2021年6月にShopifyが発表した、新しいテーマアーキテクチャです。代表的なものにDawn、Sense、Craft、Crave、そして最新世代のHorizonなどがあります。
このOS2.0テーマでは、すべてのページで自由なカスタマイズができたり、アプリとの連携がよりスムーズになったり、管理画面からノーコードで多くの設定が変更できたり、と仕組みそのものが大きく進化しています。
古いテーマを使い続けるデメリット
古いテーマを使い続けても、運営自体は可能です。
しかし、お客様から見たときに何が起きているかという観点でお伝えします。
柔軟なカスタマイズができない(下層ページのセクション追加不可)

Vintageテーマは制約が多く、細かいカスタマイズができません。厳密には「OS2.0のカスタマイズ性が飛躍的にアップした」と言えます。
Shopifyテーマの特徴は「セクション・ブロックを自由に追加、並べ替えして簡単にストアが作れる」ことです。Vintageテーマはトップページのみセクション追加できますが、商品ページや通常ページなどの下層ページはセクション追加が使用できません。
(これでも当時はShopifyは便利だったのですが、今考えると本当に進化しています)
OS2.0では、すべてのページでドラッグ&ドロップで自由にコンテンツを追加・並べ替えできます。商品ページに「お客様の声」セクションを足したり、固定ページに動画を埋め込んだり、ということが、コードを触らずに管理画面だけで完結します。
この差は、お客様が商品ページに訪れたときの情報量・説得力に直結します。
買うかどうか迷っているお客様の背中を押すのは、商品ページの作り込みです。
そこを柔軟に変えられないというのは、機会損失になっている可能性があると考えています。
用意されたセクション(パーツ)も少ない
Horizonであれば、現時点で30以上のセクション(パーツ)が用意されています。
Vintageテーマで標準的だった「Debut」で使用できるセクションは17個。
より細かく、自由度の高い表現を求めるなら、やはり新しいテーマを使うべきです。
やりたい施策がすぐできない
上記の課題は運営者の皆様にとっても同じで、「こういう表現をしたいのにできない」あるいは「できてもShopifyアプリが必要でランニングコストがかかる」など、何らかの制約を現場で感じられているのではないでしょうか。
メタフィールド(商品情報の柔軟な追加)が管理画面から扱えない
タイトル、説明、サイズチャート、原材料、ケア方法、産地情報など、商品ごとに固有の情報を載せたい場面はたくさんあります。
OS2.0では、こうした追加情報を「メタフィールド」という機能で管理画面から自由に設定できます。
Vintageテーマでも、メタフィールドそのものは使えます。
ただし、APIやコードを介する必要があり、現場の運営担当が気軽に扱える状態ではありません。
結果として商品情報は最低限のものだけ、という運用になってしまいます。
AI検索にヒットしづらい
上記の課題は、AI時代、エージェンティックコマース時代においても致命的です。
せっかくShopifyというAIと親和性の高いシステムを使っているにもかかわらず、その強みを活かし切れていません。
ハッキリと数字で出すのは難しいところですが、皆様が思っている以上の機会損失になっている可能性が高いです。
新しいShopifyアプリの恩恵を受けられない
OS2.0以降のアプリは「アプリブロック(埋め込みアプリ)」という仕組みで、コードを触らずにテーマに組み込めるようになりました。
新しく登場するアプリの多くは、このアプリブロックを前提に設計されています。
Vintageテーマでは、こうした新世代のアプリが本来の機能を発揮できなかったり、そもそも非対応だったりするケースが増えています。
これから出てくるアプリも新世代を前提に作られていくため、使えるアプリの選択肢が時間とともに狭まっていくという課題も発生します。
ShopifyのAI機能が使えない
こちらも重要です。
Shopifyはここ数年、AIアシスタント『Sidekick』や『SymGym』など様々なAI機能を実装してきました。商品説明文の自動生成、画像の背景除去、テーマブロックのAI生成など。
ベーシックプラン以上であれば無料で使えるAI機能が次々に追加されています。
例えばAIによるテーマブロック生成は、Shopify公式ヘルプセンターに「Vintageテーマでは利用できません」と明記されています。
最新のHorizonテーマで特に手厚く設計されており、Vintageテーマを使っている限り、これらAIの恩恵は一切受けられません。
今後もShopifyのAI機能は拡張・向上されていくでしょう。
古いテーマのままでは、取り残され続けることになります。
機能アップデートが止まっている=競合との差が広がり続ける
Shopifyは毎月のように新機能をリリースしており、OS2.0はその恩恵を自動的に受けられます。
Horizonをはじめとする新しいテーマは、最新の機能や挙動に最適化された状態で提供されます。
Vintageテーマは機能アップデートの対象外。
つまり、競合他社がShopifyのアップデートで自動的に進化していくのに対し、Vintageテーマを使い続けるストアは「あの当時のShopify」のまま止まっている、ということになります。
本当に「もったいない」状況です。
自分のストアが古いテーマかどうかを確認する方法
Shopify管理画面から3つの方法でチェックできます。
方法①:テーマ名で判別する
Shopify管理画面の「オンラインストア」→「テーマ」を開いて、現在公開中のテーマ名を確認します。以下の名前が含まれていれば、Vintageテーマです。
Debut、Brooklyn、Narrative、Supply、Minimal、Simple、Boundless、Venture、Express、Jumpstart
ただし、テーマ名は編集できるため、テーマ名が入っていない場合もあります。
方法②:商品ページの編集画面で判別する
テーマカスタマイズ画面で、「商品」→「デフォルトの商品」を開きます。
サイドバーの下に「セクションを追加」というボタンが表示されているかを確認します。

このボタンがなければ、Vintageテーマです。
方法③:ストアの構築時期で目安をつける
OS2.0の発表が2021年6月。
全マーチャント向けに提供されたのは2021年7月末です。
それ以前に構築して、テーマを変更していなければ、Vintageテーマを使い続けている可能性が極めて高いです。
移行で得られることメリット
ここまでの裏返しになりますが、OS2.0への移行で得られるメリットを整理します。
下層ページも柔軟にカスタマイズ・継続的な改善可能
運営しながら「ここをこう変えたい」と思ったとき、コードを触らずに管理画面だけで対応できます。お客様の反応を見ながら細かく改善していく、というEC運営の基本動作が取り戻せます。
商品情報の表現力が上がる
サイズ表、ケア方法、産地、ストーリーなど、商品ごとの固有情報をきちんと伝えられるようになります。「この商品が欲しい」と思ったお客様が、知りたい情報をその場で得られる状態を作れます。
最新のアプリ・AI機能を活用できる
ShopifyのAIや新しいアプリは、これからますます増えていきますので、その流れに自動的に乗っていけます。
今後のアップデートにも自動でついていける
Shopify本体のアップデートも自動的に実装され、活用できます。
移行はどう進めるか?
「テーマ移行」と聞くと、サイト全体をゼロから作り直すような大がかりなものをイメージされるかもしれません。
もちろん現在のストア構成(商品数、ページ数など)にもよりますが、現在の設定を引き継げることもありますので、設計次第です。
デザインリニューアル必須ではない
移行=リニューアル、と思われがちですが、必ずしもそうではないと考えています。
今のデザインの雰囲気を活かしながら、テーマだけOS2.0に移し替えるという進め方も可能です。
もちろん、せっかく移行するならデザインも刷新したい、というご要望にも対応できます。
移行のみであれば、新規構築より安価で対応可能
当社のShopify新規構築は30〜60万円が標準ですが、移行のみであればこれよりも安価でご対応できる可能性が高いです。
正確な費用は、現状のストア構成・商品数・追加機能・カスタマイズの有無などをヒアリングしたうえでお見積りいたします。
運営支援込みでのご相談も可能
当社では構築だけでなく、月額制での運営支援も承っています。
移行と合わせて、運営の伴走者としてご一緒する形でのご相談も歓迎しています。
まずはお気軽にご相談ください
「本当は気になっていたけど、相談する相手がいなかった」
「自分のストアが古いのか古くないのか、よく分からない」
という方は、まずは現状の確認だけでもお気軽にお声がけください。
無料でストアを拝見して、移行の必要性・進め方・費用感をお伝えします。
地方発・地方の事業者にも寄り添うEC支援パートナーとして、長野県佐久市から全国の事業者の方々をお手伝いさせていただいています。
お問い合わせをお待ちしています。