細かい送料設定も実現するShopifyの配送設定方法

オンラインストア(自社ECサイト)の送料をいくらにするか?
販売している商品の形状や温度帯によって宅配便やポスト投函など、どの配送方法を採用するか?
初期設定や初期構築時には必ず検討すべき項目です。

「全国一律送料無料」にすればシンプルですが、単価の低い商品を扱っているストアや、商品の組み合わせ、あるいは合計金額によって変えたいなど細かい送料設定をしたいストアもあると思います。

また昨今では運賃の値上げ、高騰傾向にあり、送料無料が当たり前ではなくなりつつあります。送料の設定がEC事業の利益構造にも関わってくる重要な設定です。

Shopifyでは送料・配送方法を下記項目から設定できます。

  • 商品(全商品一律または特定商品ごとに分ける)
  • 発送元(複数ある場合に分ける)
  • 発送先(全国一律または47都道府県ごと)
  • 送料(一律または購入金額または重量ごと)

今回は具体的な設定例も交えながら送料・配送方法の設定についてまとめていきます。

※日本国内のみでの販売・発送を前提にしています

配送料の設計

まずはストアでどういった配送料を設定するか、その全体設計をする必要があります。
配送料は実際に配送する商品サイズ、つまり大きさで異なります。
地域ごとに異なるのは分かりやすいと思いますが、商品サイズも配送料を設定する上で重要です。

例えばポスト投函できる小さくて薄い商品であれば送料は一律に設定できます。
とはいえ、それが複数購入されたらポスト投函サイズを超えます。そもそも箱では無いと送れないもの、あるいは食品などクール便対応が必要など商品によって様々です。

また、ストア運営する以上は利益を得るのが大前提。
配送料の設定いかんで赤字になってしまうといったことがあってはいけません。
弊社も実際に小売事業を行なっているからこそ実感しますが、意外と送料によって想定よりも利益が減ってしまうことは現実的に起こり得るのです。

特に商品数が多ければ多いほど、利益率と配送料の兼ね合いで自社負担できるのか、あるいはきちんとお客様から頂戴するのか、考えていきましょう。

商品が多岐にわたり、配送料も複雑になりそうな場合にお勧めなのがマインドマップです。マインドマップは一般的にビジネスのアイデアを出して情報整理するためのツールです。
この「情報整理」という意味で配送料が複数パターンにある際は重宝します(手書きでもOKです)。

マインドマップを使った配送料の設計

例えば、下記のような条件だとしましょう。

条件1:3種類の商品がある
1.100g単位で販売する小さくて薄い商品(ポスト投函)
2.1個単位で販売する段ボール箱出荷の商品(宅配便)
3.ギフト専用商品(宅配便)

条件2:ストア共通で合計金額10,000円以上なら無料
条件3:条件1の1.は500g以上で宅配便料金になる
条件4:宅配便はエリアごとに送料設定
条件5:クール便を追加料金300円で選択可能にする
条件6:条件1の3.ギフト商品は追加料金500円
条件7:条件6は更にクール便を追加料金300円で選択可能

かなり細かい条件にしましたが、割と現実的ではないでしょうか。とはいえ、こうして文字だけで見ると分かりづらいと思います。
実際にどうやって設定していいのかも分からなくなりそうです。
そこで、これらの条件をマインドマップに落とし込むと下記のようになります。

このように商品ごとに分岐して、更にそこから条件を分岐させていくことで各条件がハッキリします。
配送料やエリアは仮ですので、実際の内容に沿って設定してください。

標準機能では条件1~4が設定可能

まず最初に、先ほど記載した7つの条件のうち、標準機能では1~4が設定できます。

条件1:3種類の商品に異なる配送方法を設定

  • ポスト投函商品 → 専用プロファイル(重量ベース料金)
  • 宅配便商品 → 専用プロファイル(エリア別料金)
  • ギフト商品 → 専用プロファイル(追加料金設定)

条件2:合計10,000円以上で送料無料

金額ベースの送料設定で対応。各配送プロファイルに「注文金額が10,000円以上の場合は無料」という条件を設定できます。

条件3:ポスト投函商品が500g以上で宅配便料金

重量ベースの送料設定で対応。同じプロファイル内に「〜499gはポスト投函料金」「500g以上は宅配便料金」という2段階の重量条件を設定できます。

条件4:宅配便はエリアごとに送料設定

配送ゾーン機能で対応可能です。都道府県単位で異なる送料を設定できます。

条件5~7はアプリが必要

Shopifyの標準配送設定では「オプションとして選択させる」という仕組みがなく、クール便などを選択肢として表示して追加料金を加算する機能はありません。
ただし追加料金ではなく、クール便を別の配送方法として固定料金で設定し、選択いただくことは標準機能で可能です。

Shopifyの配送設定1(1種類のみ)

では、実際にShopify標準機能の範囲で配送設定をしていきます。
全体像がしっかりとまとまっていれば設定自体はそこまで難しくありません。

まずはShopify管理画面の「設定>配送と配達」にアクセスします。
「宅配便のみ」のようにシンプルな設定の場合は「ストアデフォルト」の「一般プロファイル」のみで完結します。

配送エリアを「北海道・東北」や「関東・甲信越」のように設定した後、そのエリアの運賃に対応する送料を設定していきます。

「〇円以上で送料無料」といった条件も設定できます。

引き渡し時期の表記

なお、上記画面のように「宅配便(注文完了後3~5営業日程度でお届け)」と記載しているのは理由があります。2022年6月より改正の特定商取引法により、「最終確認画面」に「引渡・提供時期」の記載が必要になっているためです。

Shopifyでは、上記のように配送方法と一緒にお届け日数などをテキストで設定すると、決済フォームにも表示されるので、このように設定するのがオススメです。

Shopifyの配送設定2(条件ごとに細分化)

では、先ほど記載した細かい条件がある場合の配送設定をします。
まず第一に商品を分ける必要がありますので、「カスタムプロファイルを追加」をします。

今回は条件1で記載した1.のポスト投函と宅配便になるパターンを設定してみます。
該当する条件は下記になります。

条件1:
1.100g単位で販売する小さくて薄い商品(ポスト投函)
条件2:ストア共通で合計金額10,000円以上なら無料
条件3:条件1の1.は500g以上で宅配便料金になる
条件4:宅配便はエリアごとに送料設定

発送先エリア・配送方法・送料を選択しますが、ここで注意が必要です。
Shopifyで発送先エリアを設定する際、1つの配送プロファイルにつき選択できるエリアは1つとなります。

どういうことか?
今回のケースでは「全国一律のポスト投函」と「エリアごとの宅配便」の2種類のエリアが存在します。
ここで最初に配送エリアとして47都道府県を選択してしまうと、エリアごとの宅配便が指定できなくなってしまうのです。

つまり、日本全国を作るのではなく、まず宅配便で指定したいエリアを作成し、そこに宅配便とポスト投函の料金、そして該当する重量を設定するのが正解です。このような設定になります。

全国一律のポスト投函料金が一括で設定できないのは少々面倒かもしれませんが、いずれにしても宅配便で各エリアを作成する必要があるので最終的には同じくらいの作業ではないでしょうか。

他のエリアも同じように配送方法、重量条件、料金を設定していくと条件に全て合致します。
あとは実際にお客様がカートに入れた商品の重量(数量)や合計金額に応じて自動的にチェックアウト画面で配送料が計算されます。

このようにストアで設定したい送料を商品ベースで自由に追加してカスタマイズできるのがShopifyの特長です。

ストアや商品詳細に配送情報を記載

物流を支える運送会社は人手不足や労働環境の問題で厳しい状況が続いています。

ECサイトは運送会社の協力無くして成立しません。
実店舗に必ずお店が必要なように、ストアには必ず配送が必要です。

年々、運賃は値上がりしつつありますので、それを全てストアが負担するのも状況によっては難しいものです。
お客様に送料を負担していただくのは決しておかしいことではありませんが、ストアとしてきちんと送料をトップページや商品詳細ページ等に記載しておくことで理解を求めるのがベターです。

業界的には楽天市場が送料を一律にすると発表しましたが、出店者からの反対や独禁法に抵触する可能性が示唆されました。
それだけ送料は消費者にとっても事業者にとっても重要な要素です。冒頭でも少し触れましたが、送料が違うだけでストア全体、ひいては会社全体の利益に直結することも決して珍しくありません。

商品ごとに送料を分けることが出来るのは便利ですが、お客様がそれを知らずにチェックアウト画面で送料の加算に驚き、カート落ちしてしまっては本末転倒。

逆に送料無料であれば強みにあるので、それはそれでヘッダーに告知しておくなど明記しておくのがオススメです。

ストアの送料設定と一緒に、どこで送料を案内するかも考えてみてはいかがでしょうか。