長野県佐久市のShopifyパートナー、株式会社ローカルコマース代表取締役の呉です。
累計70社以上における構築・支援の経験からShopifyを中心としたEC運営の実務で役立つ情報発信を心がけています。
Shopifyの管理画面は非常にシンプルなので、無料トライアル開始から最短数時間でストア構築も可能です。もちろん時間をかけて作った場合にしても共通しますが、いざ公開してみると「決済が通らない」「送料が表示されない」「広告を出したのに誰も買えない」といった事故(アクシデント)が起きることもあります。
この記事では、累計70社以上のShopify構築・運営支援に携わってきた経験から、公開前に必ずチェックしておきたい初期設定9項目を「最重要(漏れると売れない)」と「重要(公開後のトラブルを防ぐ)」に分けて整理します。
一通りチェックいただければ、初期アクシデントの9割は防げると考えています。
チェックリストはこちらです。
1. 決済設定
2. 送料設定
3. 税込み表記
4. 在庫数・販売価格
5. 法的ページ4点セット
6. 公開前のパスワード保護解除
7. 独自ドメインの接続
8. 特商法「最終確認画面」への対応
9. 通知メールの設定
【最重要】「売れない」「トラブル」に直結
まずは公開と同時に売上に直結する最重要7項目です。順番に確認していきましょう。
1. 決済設定
すべての初期設定の中で「最優先」で確認すべき項目です。
決済設定が完了していないと、顧客が購入手続きを進めても決済フォーム(チェックアウト画面)でエラーになり、売上が立ちません。
確認するポイントは大きく2つ。
ひとつはShopify Payments(または利用する決済サービス)の有効化です。
Shopify Paymentsを利用する場合、管理画面の「設定 → 決済」から会社情報・代表者情報・銀行口座情報を入力し、本人確認書類を提出する必要があります。
詳しい審査は後日、利用が始まってから実施される傾向にあるため、まずは設定だけしておけばOKです。
もしShopifyパートナーに構築を依頼している場合、この設定はストアオーナー様しかできません。パートナーより「オーナー権限の移行」手続きをしてもらい、Shopifyプラン選択、オーナー権限となった後に、最初に対応しましょう。
もうひとつ重要なのは、実際にテスト購入してみることです。
Shopify Paymentsには「テストモード」があり、有効にするとテスト用のクレジットカード番号で動作確認ができます。
| カード番号 | 1:正常な取引(通常はこちら) 2:拒否された場合 3:障害発生時 |
|---|---|
| 名前 | Bogus Gateway |
| カード期限 | 未来の日付 |
| セキュリティコード | 自由に3ケタ |
本番モードに戻し忘れると本物の決済が通らなくなるので、テスト後は必ず本番モードに切り替えること、また有効な決済方法が表示されているかも合わせて確認しましょう。
2. 送料設定
決済と並んで「売れない最大要因」になるのが送料設定です。
送料が正しく設定されていないと、商品をカートに入れてもチェックアウトに進めない、あるいは想定外の送料が表示されてカゴ落ちする、という事態が起きます。
設定箇所は「設定 → 配送と配達」です。
ここで重要なのは次の3点。
①プロファイルと商品の紐づけ
Shopifyは「一般配送プロファイル」を商品に自動適用しますが、商品ごとに別の送料を設定したい場合は「カスタム配送プロファイル」を作って商品を割り当てます。
配送プロファイルに商品が含まれていないと、その商品はチェックアウトに進めなくなるので必ず確認しましょう。
②配送先(ゾーン)の網羅
日本国内で販売するなら「日本」が配送ゾーンに登録されている必要があります。
沖縄・北海道などで送料を変える場合は、ゾーンを分けて個別設定します。
都道府県単位で設定できますが、離島の設定はできません。
関東、関西、といったエリアごとに都道府県をグルーピングして設定するのが一般的です。
③重量・価格・送料無料条件の設定
「○○円以上で送料無料」のような条件を設定したい場合はここで定義します。
条件付き送料を入れる前提なら、商品の重量や価格設定との整合性も合わせて確認しましょう。
3. 税込み表記
日本では2021年4月から総額表示(税込み表記)が義務化されています。
確認すべき設定項目は以下の通り(2026年6月時点)
- 商品管理:「各商品編集画面」で販売価格が税込みになっている
- 商品管理:「各商品編集画面」で「税金を請求する」が「はい」になっている
- 設定:「配送と配達」で「送料が税込み」で登録している
- 設定:「税金と関税」で「商品価格と配送料に売上税を含める」と「配送料に売上税を請求する」にチェックが入っている

特に上記画像の画面は、恐らく前者は最初からチェックが入っていますが、後者は入っていないと思います。後者もチェックを入れないと、「配送料が税込みにならない」ので注意が必要です。
これだけで、商品ページやカート、チェックアウトでの表示がすべて税込みに切り替わります。
加えて、商品登録時の「価格」欄に入力する金額が税込みになっているかも確認しておきましょう。
「税込み表示にチェックを入れているのに、商品価格欄には税抜き金額を入れてしまった」というミスは初期によくあります。
4. 在庫数・販売価格
意外と見落とされがちなのが在庫管理の設定です。
商品登録画面に「在庫を追跡する」のチェック項目があり、ここの設定によって挙動が大きく変わります。
- チェックを入れる:在庫数を入力し、在庫がゼロになると自動的に「売り切れ」表示になる
- チェックを入れない:在庫数に関係なく常に購入可能(無形商材、受注生産、メーカーで細かい在庫管理が不要の場合など)
実際に販売を開始する際の在庫数や状況を確認して設定しましょう。
なお、在庫管理・発送作業を外部に委託する場合、倉庫の在庫数とShopifyとを連携するためのシステムを利用することになります。
その際はシステム側で在庫連携を取るため、Shopifyでの在庫設定は不要(触らない方がいい)ケースが多い傾向にあります。
5. 法的ページ4点セット
ECサイト運営において、特商法・プライバシーポリシー・利用規約・返品ポリシーの設定は必須です。
- 特定商取引法に基づく表記:販売事業者の情報開示。これがないと法令違反
- プライバシーポリシー:個人情報の取り扱いについて記載
- 利用規約:ストア利用にあたってのルール
- 返品ポリシー:返品・交換の条件と手続き
Shopifyでは「設定 → ポリシー」から各ページのテンプレートを自動生成できます。
自動生成された文面は汎用的なので、自社の実態に合わせて編集して使うのが基本です。 特に重要なのは返品ポリシーです。
後述する特商法の「最終確認画面」対応で、このページがリンクとして表示されるため、内容が空白だったりテンプレートのままだと法令対応として不十分になります。
これら4ページは、テーマのフッターに自動的にリンクが表示される設計になっているテーマがほとんどです。
ストア公開前に、フッターから実際にリンクを開いて、内容が正しく表示されることを確認しましょう。
6. 公開前のパスワード保護解除
意外にも見落としがちで、初期アクシデントナンバーワンと言ってもいい項目です。
Shopifyは構築中に第三者からアクセスされないよう、初期状態でストアにパスワード保護がかかっています。
公開する際は、このパスワード保護を解除する必要があります。
「オンラインストア → 各種設定(テーマの設定画面の下)」からアクセス制限を解除できます。
※Shopifyプラン選択=有償利用開始しないと解除できません
「広告を打ったのに全然売れない」と相談を受けて確認してみたら、パスワード保護がかかったままだった…ということが無いようにしたいですね。
原因は、関係者であれば一度パスワードを入力すれば、しばらく入力不要なため、「パスワードが掛かっていない」と勘違いしてしまうからです。
ストアにアクセスしたことがない人がアクセスすると引き続きパスワードを求められるため、認識のすれ違いが起こってしまいます。
一方で、関係者にのみ事前確認してもらいたい場合は、パスワード保護を有効にしたままパスワードを共有する形で限定公開ができます。
構築時にティザーページを作って集客する場合でも活用できます。
<重要>公開後のクレーム・トラブルを防ぐ
ここからは「設定が漏れたら売れない」ではないものの、放置すると公開後にクレームや法令違反、顧客体験の悪化につながる項目です。
7. 独自ドメインの接続
Shopifyのストアは、初期状態だと`〇〇.myshopify.com`というURLになっています。
このままでも販売はできますが、顧客の信頼性が下がり、決済時の離脱要因になります。広告経由でアクセスしたユーザーが「このURLは怪しい」と感じて離脱する、というのは実際よくある現象です。
独自ドメインの取得方法は2通りあります。
①Shopify管理画面から直接購入
「設定 → ドメイン」から検索して購入。
Shopifyに連携済みなので、DNS設定が自動で完了するのが利点です。
ただしShopifyがグローバル企業のため、日本独自の「.jp」や「.co.jp」ドメインが取得できません。そういったドメインを使いたい場合は国内のサービスを利用します。
②外部レジストラで取得後に接続
お名前.com、ムームードメイン、Cloudflare等ですでに持っているドメインを使う場合や、別途SEO・運用上の理由でレジストラを指定したい場合はこちら。
接続後は、独自ドメインをプライマリドメインに設定することと、`〇〇.myshopify.com`からの自動リダイレクトを有効になっているか確認しておきましょう。
(基本的には設定を進めれば自動的に設定されます)
SSL証明書(HTTPS化)はShopifyが自動で発行・適用してくれるので、別途作業は不要です。
ただし、適用までに少し時間がかかるため、独自ドメインの設定は余裕をもって実施しておきましょう。
8. 特商法「最終確認画面」への対応
2022年6月の改正特定商取引法により、ネット通販事業者は「最終確認画面(チェックアウト直前画面)」で次の6項目を消費者が確認できる状態にしておく義務があります
- 分量(数量)
- 販売価格・対価
- 支払の時期・方法
- 引渡・提供時期
- 申込みの撤回・解除に関すること(主にサブスク)
- 申込期間(期限がある場合)
数量、価格、支払い方法は自動的に表示されるのでOKです。
一方で支払い時期、引渡時期などはデフォルトのままでは明記されません。
しかし、ShopifyはPlusプラン以外では最終確認画面(チェックアウト画面)を自由に編集できません。
が、チェックアウト画面に「表示する項目名の編集」は可能です。
テーマ設定の「デフォルトテーマのコンテンツを編集する」や、「設定 → 配送と配達 → 配送料」から配送方法の名称を編集できます。
①配送方法の名称に「引渡時期」を含める
例えば「宅配便」を「宅配便(ご注文から3〜5営業日でお届け)」のように出荷目安を名称に含めることで、引渡時期を最終確認画面に表示できます。
ただ、2026年6月時点でShopify標準の送料設定画面で「配送目安」も設定できるようになりました。ここに「1~3営業日」などの選択肢があるので、設定することで表示できます。
②支払い方法の名称に「支払時期」を含める
クレジットカードでの支払い表記を「クレジットカード(即時決済)」のように変更可能です。
銀行振込などの手動決済は「設定 → 決済 → 手動の決済方法」から名称を編集できます。
③返金ポリシーへのリンクを活用
最終確認画面の下部に表示される「返金ポリシー」のリンクが、消費者庁ガイドラインで認められている「クリックで別ウィンドウ表示」に該当します。
前述した法的ページの「返品ポリシー」の内容を実態に合わせて整備しておくことで、「申込みの撤回・解除」要件をクリアできます。
期間限定販売の場合は商品名に申込期間を直接記載するのが現実的です。
またサブスク(定期購入)の場合は次回代金・各回請求時期・解約方法の明記が必須など、販売形態によって追加対応が必要です。
サブスクはShopify公式でもアプリを提供していますが、日本独自の商習慣や上記の法令対応をする上では、『Mikawaya Subscription』など国内の企業が開発・提供しているアプリを使うのがオススメです。
9. 通知メールの設定
Shopifyは標準で15種類以上の自動通知メール(注文確認、発送通知、キャンセル、返金など)が送信できます。
これらはデフォルトのままでも問題なく動作しますが、文面が事務的で当たり障りないため、ブランドの世界観を表現するには物足りません。
特に編集をおすすめしたいのは、購入後の最初のタッチポイントになる「注文完了メール」と「発送完了メール」の2通です。
「設定 → 通知」から各メールテンプレートを編集できます。
編集時のポイントは次の通りです。
冒頭の挨拶文にブランドのトーンを反映する
- 配送・到着日数の目安を明記する(顧客の問い合わせを大幅に減らせる)
- 問い合わせ窓口の案内を入れる(メールアドレス、営業時間)
- SNSやLINE公式アカウントへの誘導を入れる(リピート顧客への接点に)
また、送信元メールアドレスの設定も重要です。
デフォルトだと`@shopifyemail.com`からの送信になり、迷惑メールフォルダに振り分けられるリスクが高くなります。
「設定 → 通知 → 送信者のメールアドレス」で独自ドメインのアドレス(例:`shop@your-domain.com`)に変更し、SPF・DKIM認証の設定もShopifyの案内に従って済ませておきましょう。
※こちらの設定方法は別途記事にします
通知メールはECサイトの「誰でもできるタッチポイント施策」とも言えます。
少し手をかけるだけで、顧客満足度やリピートに直結します。
Shopify新規構築後に確認しましょう
今回ご紹介した9項目は、Shopify管理画面のあちこちに分散していて、初めてだと全てをケアできない可能性もあります。
しかし一度設定してしまえば、その後はほぼノーメンテで運用できる項目ばかりです。
株式会社ローカルコマースでは、Shopify Partnerとしてストアの新規構築から初期設定の点検まで一貫してサポートしています。
「自分たちで構築したけれど、ここまでの設定で抜け漏れがないか不安」「公開前に第三者の目で全体をチェックしてほしい」といったご相談も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。
今回の内容に関連する記事
お名前.comなど外部で取得した独自ドメインをShopifyに設定する方法